福島市のピアノ教室「にこにこ千穂 音楽教室 Sun Sing Smile」

福島市でピアノ教室をしております渡辺千穂です。元特別支援学校音楽科教諭の経験を生かし丁寧なレッスンを行っています。

教師の力量とは?  

 

  私は、33年間、特別支援学校で教師としての人生を歩みましたが、教師になりたての新採用の頃に、先輩の先生方から教師として大切な事柄についての様々なお話を伺いました。その中で、とても印象に残り、その後の教師人生の中で、とても影響を受けたことがあります。それは、「教師の力量とは?」というお話です。

 

 教師の力量とは?

 いろいろあると思いますが、皆さん何だと思いますか?

 

 その先輩の先生は、その生徒さんの課題をハードルに見立て、そのハードルの高さの設定がとても大切であるとお話して下さいました。「ハードルが高すぎると、最初から無理だと思い、跳ぶことをやめてしまう。低すぎると、簡単に跳ぶことができるので、跳べても、ちっともうれしくない。そして、跳ぼうという気力をなくしてしまう。なので、少しがんばれば跳べるという位置にハードルを設定することが大切なのである。この少しがんばれば跳べるという位置にハードルを設定するということが、簡単なようで難しい。その微妙な設定を適切にできるかどうかが教師の力量である。」とおっしゃいました。

 

 これは、私の長い教師人生を通しても、本当にそうだなぁと実感しました。

 

 頑張れば跳べるという位置にハードルを設定して、生徒さんが実際に跳べた時の喜びの体験。その喜びの成功体験を積み重ねることは、とても大切な事だと思います。この喜びの成功体験の積み重ねは、自分自身に対して自信を持つことができますし、次もまた挑戦してみようという意欲につながります。そして、跳ぶことが楽しくなれば大変素晴らしいことだと思います。その後は、少しハードルの高さを上げてみたり、難しかったら、少しだけ下げて、様子を見たりして、高さの検討を行います。ハードル自体も、ご本人が跳んでみようと思えるような工夫をしてみることも楽しいことです。ご本人の興味・関心を持っているもの、例えば、色をつけてみたり、鈴をつけて音が出るようにしてみたり等々・・・・。

 

 そして、生徒さんが、跳べた時には、教師も、生徒さんのがんばったことや努力したことを賞賛して、生徒さんと一緒に大いに喜ぶということも、とても大切なことだと思います。跳ぶためのがんばりや努力を大いに賞賛することで、がんばりや努力の大切さを生徒さんに分かって頂き、がんばったり、努力したりすれば成功につながるということを学習して頂ければ教師として、とてもうれしいかぎりです。そのようなことを通して、お互いに信頼できる関係になっていくのではないかと思います。

 

 私の学校での長い教師時代。そして、今、現在運営している音楽教室の教師としても、私の若い頃に頂いた先輩の貴重なアドヴァイスは生きています。

 

 このような貴重なアドヴァイスをして下さった先輩に今でも、とても感謝しています。

 

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