福島市のピアノ教室「にこにこ千穂 音楽教室 Sun Sing Smile」

福島市でピアノ教室をしております渡辺千穂です。元特別支援学校音楽科教諭の経験を生かし丁寧なレッスンを行っています。

音楽の授業で合唱指導をして思ったこと!感じたこと!

 今日も昨日に引き続き、素晴らしい秋晴れ!晩秋の最後の賑わいでしょうか?

天気予報では、明日から天気が崩れると!そして、今週末は12月!師走!

いよいよ、冬の到来ですね!

 

 さて、今日は、火曜日。“私の思うこと”など、つれづれなるままに書いております。最後までお付き合いいただけたら、うれしいです。

 

  私は、特別支援学校の音楽科の教師として33年間勤務しました。その教師時代に

感じたことや気づいたことなどについて、つれづれなるままに書かせて頂いております。今回は、音楽の授業で合唱指導をしていたことについて、少し書かせて頂きたいと思います。

 

 ある人が、私が指導していた生徒さんたちの合唱を聴いて、このようにおっしゃいました。「この子たちの合唱は、コンクール向きの合唱ではないけど、芸術祭参加向きの合唱だよね!」私は、この言葉が、とても印象に残っています。

 

 コンクール向きの合唱になると、音楽の三要素である、メロディ、リズム、ハーモニーが、当然のことながら、バッチリ決まらないと、なかなか難しいところがあります。

 そして、いかに聴く人の心に訴えかけるメッセージを届けることができるかという表現力も必要になります。

 合唱コンクールで賞をとった学校の生徒の皆さんの歌声を聴くと、どの学校の皆さんも、合唱の技術力も表現力も抜きんでており、素晴らしい!と、感動!してしまいます。

 この日に向けて、辛い日々もあっただろうに、指導している先生と共に、毎日毎日、皆で、気持ちを一つにして練習を重ねた成果なのだろうなぁと思ったり、そして、それは、学生時代にしか味わえない輝かしい青春の一ページになるのだろうなぁと胸キュンになったりします。

 

 でも、私は、時々感じることがあります。

それは、

 合唱がとてもうまい、例えば、大人の方の合唱団でも、ものすごい上手な合唱だけど、どんなに技術力、表現力があっても、なぜか聴き手に響いてこない歌があります。何故なのだろう?と考える。そして、それは、合唱だけでなく、独唱でも、楽器の演奏でも、言えると思うのですが、何故か、うまいけど、心に響かない音楽があります。

 

 僭越ながら、私が思うのですが、自分たちの歌や演奏に驕りがある時、「凄いでしょう!あなたたちに聴かせてあげるわ!上手でしょう!」といったかなり高い場所から、いわゆる上から目線で演奏されると、何故なのだろう!そのダークな思いは、確実に聴き手に伝わってしまうと思うのです。音の情報の中に、何故か、心の中に生じた驕りという不純物が生じた瞬間、決して、「私はうまいのよ」などと言葉で言わなくても、聴き手は、「確かに上手だけど、何か違うんだよな~。伝わってこない。ん~。何故だろう?」という感じになると思うのです。もちろん、これは、私の主観の問題なので、同じ音楽を聴いても、「素晴らしい。感動する」という方もおられると思いますので、これは、あくまでも、私の主観、感じ方でのお話です。

 

 そして、私が教えた生徒さんたちの合唱なのですが、最初にお話した音楽の三要素であるメロディ、リズム、ハーモニーが、どんなに練習を重ねても難しい生徒さんも、中にはいました。もちろん、そのような方でも、練習を重ねることで、少しづつ習得できることもありました。でも、この方たちの強みは、素晴らしい表現力でした。

一生懸命に、ピュアな心で、観客の皆さんに自分たちの歌が届くように、ただただ、その思いだけで、歌唱する姿は、いつも心打たれるものがありました。私は、音楽の授業で、生徒の皆さんの合唱の伴奏をしながら、自然に涙が溢れてきたことが何度もありました。先生が泣いているのも、ちょっと恥ずかしいので、私は、生徒の皆さんには気づかれないようにしていたけれど、感動してしまうのでした。この人たちの歌には心の驕りの不純物がまったくありません。指導者である私の話をよく聞いて下さり、「観客の皆さんに、自分たちの歌を聴いて頂く気持ちで、一生懸命に心を込めて歌う」ただただ、それだけ!

 

 なので、どんなところでステージ発表をしても、聴いて下さる皆様の心の扉をトントンとノックして、心の中に彼らのメッセージをお伝えすることができたと思います。観客の皆様の中に、涙を流しながら、聴いて下さる方が多かったでした。人様の心の扉をノックできるというのは、とても、難しいと思うのです。なかなか、そこまで出来ない。だから、それが出来るかれらの合唱を評して、一番最初にお話した「この子たちの合唱は、芸術祭参加向きの合唱だよね~」という言葉がでてくるにだろうと思います。

 

 思えば、音楽は、太古の昔から、神事と結びつているもの。神様に捧げるもの

であれば、音楽とは、清らかな、純粋な無垢な心で、全ての命の幸せを祈って捧げるということが、本来の姿であるのではないかなぁと思ったりします。そのような意味においても、彼らのあの時の合唱は尊いものであったとしみじみと思い返します。そして、彼らと共に合唱を作り上げたあの日々は、私にとっても、かれらにとっても、純粋な青春そのものだったと思います。指導しながら、私も、とても多くのことを学ぶことができました。あの時の感動は、今も決して、忘れません!

 

 もし、この記事を、当時の生徒だった皆さんが読んでくれたら、

「共に音楽を作り上げた喜びと感動をありがとう!みんな素晴らしかったよ!あの時の感動を忘れないで、一生懸命に自分の今を生きて下さい。ありがとう!」

と伝えたいと思います。

 

 今日もご覧いただき、ありがとうございました。それでは、また、明日!

※私が作詞・作曲した「♪ありがとう」という楽曲をYouTubeに公開しました。もし、よろしければ、お聴きき下さい。こちらをクリックして下さい!

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